たまにはカメラの話でも。
すでに何年も前から我が家のフイルムカメラは箪笥の肥やしとなってます。
父のペンタックスS2で一眼レフの使い方を覚え、
中1で初めての自分のカメラ、ペンタックスP30を手にして以来、
現在唯一使っているデジタル一眼、K-1に至るまで、ずっとペンタックスを愛用してきました。
厳密にいうと、途中何度か他メーカーのシステムで入れ替えたこともありましたが、完全にペンタックスを持っていない時期はなかったと思います。
タイトルのKマウントについて語る前に、マウントとはなんぞや?
カメラ本体とレンズを嵌合する際の、レンズを固定する部分のことです。
これが、メーカーによって、それぞれ異なります。
現在も使われている伝統的なマウントとしては、ニコンFマウント、キヤノンEFマウント、ソニーαマウント、などがあります。
メーカーごとにマウントの形状が異なるので、ニコンのカメラにキヤノンのレンズは付きませんし、ソニーのカメラにはニコンのレンズは取り付けられないわけです。
メーカーの考え方とか、古いマウントだと海外のどこのカメラを模範としたか、などによって違いが表れているのでしょうが、ユーザーの立場からすると、決して親切とは言い難い状況なわけです。
ペンタックスは国産初の一眼レフ「アサヒフレックス1」を誕生させました。
このとき採用されたのは、M37スクリューマウント
口径37ミリのねじ込みマウントでした。
その後、国産初のペンタプリズムとクイックリターンミラーを同時に装備した
「アサヒペンタックス」が誕生。
ここで、マウントがM42スクリューマウントに変更されます。
このマウントは、ドイツの「プラクチカ」というカメラが採用していたため、通称「プラクチカマウント」と呼ばれています。そして、このマウントはいろいろなメーカーのいろいろなブランドで採用されました。ペンタックス(当時は旭光学)もその中のひとつといえるでしょう。M42はユニバーサルなマウントだったわけです。当時、そんなにあれやこれや使ってみた人は少なかったと思いますが、いろいろなメーカーのレンズとボディーに互換性があるということは、ユーザーにとってはありがたいことだったといえるでしょう。
我が家にある唯一のM42機、ペンタックスSV
ジャンクでしかもボディーのみ。
国内版のSシリーズ
アサヒペンタックス(通称AP)、K、S2、S3、S2スーパー、SV、スポットマチック(SP)、エレクトロスポットマチック(ES)、SPⅡ、SPF、ESⅡ
Kの称号はすでにM42機で登場しているのです。
ちなみに、ES(Ⅱ)、SPFは開放測光となり、レンズに絞り値情報を伝えるピンが追加されました。同時に多層膜コーティングが施され、SMC(スーパーマルチコーティング)の名称がレンズに付くようになりました。
1975年、ペンタックスは35ミリ一眼レフのマウントを刷新します。
それが、現在まで50年、基本構造を変えずに採用されている、Kマウントです。
画期的だったのは、ペンタックスがKマウントの規格を公開したこと。
これにより、国内外の多くのメーカーからKマウントを採用したカメラ・レンズが誕生しています。
興味深いのは、国内でKマウントを採用したメーカーのほとんどが、それ以前はM42スクリューマウントのカメラを製造していたこと。ペンタックスと同じ道を辿っています。
マニアックな話ですが、M42スクリューマウントとKマウントは、フランジバック(マウント面からフイルム面までの距離)が同じ。つまり、カメラもレンズも大きな設計変更なく、マウントを刷新できたわけです。この辺りに理由がありそうです。
てな訳で、前置きが長くなりましたが、我が家のKマウント機をご紹介。
まずは、Kマウントを初めに採用した、ペンタックスKシリーズカメラから。
Kシリーズは、K2、KX、KMの3機種でスタート。のちにK2の改良版K2DMDが追加されます。また、KX、KMにモータードライブを装着可能としたKXモーター、KMモーターも登場します。あと、天体観測ファン御用達KMをさらに簡素化したK1000というモデルも長年販売されていました。
何を隠そう、私このK2DMDが大好きでして、3台も飼っております。KXモーターも長年探してやっと手に入れました。
装着しているレンズはKシリーズと同時に発売されたSMCペンタックスレンズ、のちに区別するためKレンズとも呼ばれています。30ミリと120ミリという、変態レンズです。
マウント変更という大刷新をしたKシリーズですが、商業的には成功したとは言い難い状況でした。立派なカメラにはなりましたが、大きく重くなったペンタックスをユーザーは望んでいなかったのでしょう。Kレンズは、フィルター径が最小で52ミリからとなり、レンズも(光学系は以前と同じでも)大柄に見えるデザインになっています。
Kシリーズでちょっと失敗したペンタックスが、昔ながらのペンタックスらしさを取り戻すべく、新たに展開したのが、Mシリーズ。
MXとMEでスタート、その後、MV-1、MEスーパー、MEF、MG(順番間違ってるかも)と機種は増えていき、次のAシリーズと呼ばれる、スーパーA、プラグラムAまで、全てMEのボディーを基本としています。MXはMシリーズに分類されますが、他のどのカメラとも共通点が少ない異色のカメラです。Kシリーズの反動か、極限までコンパクトに作られています。
MEFは世界初のオートフォーカス一眼レフで、レンズ内モーターで焦点を合わせます。そのための接点がついたKfマウントが採用されました。対応レンズはAF35-70mmF2.8これ1本だけです。
スーパーAには電気接点のついたKAマウントが採用されました。レンズも接点のついたAレンズとなりました。
そして、Mシリーズ全盛の頃、旭光学創業60周年を記念して、ペンタックス初のプロ機、LXが登場します。防滴ボディー、チタン幕シャッター、豊富なシステムなど、プロ機にふさわしいスペックでした。基本設計そのままで20年以上のロングセラーとなった、まさに完成されたカメラといえます。
LX、Mシリーズ、Aシリーズとラインナップが充実していた中、ペンタックスも新時代の普及機を世に送り出します。まずは、ワインダー内蔵機のA3デート。そして、手動巻き上げ、プログラムAEとマニュアルのみに割り切り、価格をグッと抑えた入門機、P30が発売されます。ここからPシリーズがどんどん出てくるのかと思いきや、すでにミノルタからα7000が発売され、世の中は一気にオートフォーカス一眼レフの時代へ。Pシリーズは、P30デート、P50デート、P30N、P30T、とP30の改良機とP50のみで終わってしまいました。
我が家のMX、LX、P50デートです。MXには当時ちょっと流行ったパンケーキレンズ、M40mmF2.8。LXにはA28mmF2、P50にはA50mmF2を装着。
このあと、ペンタックスもAF一眼を発売。SFX、SF7、SFXN、のSFシリーズ、フォーカス駆動はボディー内モーターで、駆動用のピンが追加されたKAFマウント、レンズはFレンズとなります。
続いてZシリーズ(パワーズーム駆動用接点が追加されたKAF2マウント、FAレンズ)、MZシリーズと続き、*istで35ミリ一眼レフは終焉を迎えます。
そして*istDからデジタル一眼レフがスタートし、伝統のKシリーズへと回帰していったわけです。
本家ペンタックスボディーについてはこれにて終了。
次回は他メーカーのご紹介です。
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